幽谷霧子というアイドル
幽谷霧子。 283プロダクション、アンティーカというユニットに所属するアイドル。高校2年生。
彼女はゆっくりひとつひとつの言葉をゆっくり大切に話す。
すごく心配性で、人のことばかり考えて…
でも、みんなのことばかり考える霧子だからみんなが楽しいことを、喜んでくれることをしたいと考えたいと思ってくれる。
いろんな勝利を手にしている人は、負けばかりのひとに勝ちを譲らなければいけないのかというとそうではなくて、もっともっと成功して様々な再分配に寄与してほしいなと思うのだが、霧子のコミュではそのようなエピソードがある。
自分が「持つ側」の立場にいる彼女が、負けばかりのひとに勝ちを譲った方がいいんじゃないかとじゃやんで悩んで、でも自分の努力もちゃんと評価して、ちゃんと相手を打ち負かしてその上で彼女が「持たない側」に対して出来ることも全力で頑張っていた。
彼女にはそういう強さがある。
努力家かつ結果を出す勤勉さを持っている。
アイドル活動もがんばって、勉学も手を抜かずに頑張り続けるタフさもある。
生物の人生を大極的に捉えている。
柔らかい物腰の奥に太くて強い芯がある。
実家が病院で、小さい頃から患者さんと触れ合っていた所為なのか気取らない優しさがある。
たぶん、他の人とは違う世界が見えている。
いろんな動物の、物の、植物の声が聞こえる。
だからこそなのか、植物のお世話や物に対する愛情が一般の人と比べて深く手間をかける。
物に対して愛情深く、ケアをする人は美しい。
才色兼備なエマ・ワトソンのように、おそらく霧子にしか、彼女がアイドルになることでしか開けない未来があるはず。
少年時代をアイドル活動に捧げること。それには功罪があって、たぶん罪のほうが大きい。
でも、霧子がアンティーカのメンバーと出会ってかけがえのない時間を、葛藤する時間を過ごし手に入れたなら、霧子がアイドルになったことで霧子が今後やりたいことに幅を持たせられたなら、霧子のプロデューサーとして霧子の人生を支えられたことをうれしく思うだろう。